最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5472 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人栗林敏夫の上告趣意(後記)第一点について。
所論は判例違反の主張であるが、引用の判例は、日常生活における実験則を裁判
の基礎となし得るかどうかに関するものであつて、もとより論旨指摘の事項と関係
なく本件に適切でない。また検察官が他の証拠と同時に自白調書を一括して取調を
請求しても、自白調書よりも前に他の証拠が取調べられた以上この取調請求は違法
でないとするのが、当裁判所の判例(昭和二五年(あ)第八六五号同二六年六月一
日第二小法廷決定、集五巻七号一二三二頁参照)とするところであり、またかかる
場合、裁判所は被告人又は弁護人にこれに関する意見を求めるに当り、自白調書と
他の証拠とを一々区別しないで、一括してこれを求めても違法とはいえない。従つ
て所論の刑訴法違反も認められない。同第二点について。所論は、第一点に示した
当裁判所の判例の趣旨に徴しその理由がない。その他記録を調べても刑訴四一一条
を適用すべき事由は認められない。よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見
で主文のとおり判決する。
昭和二九年三月九日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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